これを見たのは九月末だ。
第二次世界大戦のナチス戦犯が、アメリカに雇われ、表向きは幸せな市民生活を送りながら、のうのうと生き延びる。政治信条も残忍さもそのままに、殺戮と拷問と諜報活動のエキスパートであるというだけで、あまりに長い間守られ、野放しだった。それだけでも許しがたいと感じる人は多いだろう。
また、彼をサイコパスという非-人間と考え、彼には心のがない、したがって理解不能だと見限ることも出来る。
だけど最後に映画の中で歴史学者が語る言葉は覚えておきたい。
「世間は彼を必要とした。それにもかかわらず彼を断罪した。それを偽善というのだ。」
彼に殺されたチェ・ゲバラの死に顔は、本当に美しかった。悲しいほど聖性を帯び、透き通る瞳でキリストのように天を仰いでいた。
悪魔を哀れむ歌を聞きたくなった。

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