クローサー

2008年10月5日 映画
面白かった。
嘘には嘘を。真実には真実を。
嘘つきに真心を与えたり、真心に嘘を与えることは危険なことだ。
でもその危険は日常的なものだから、正体を隠しながら生きることが普通になる。
ナタリー・ポートマン役のアリスにしか共感はできないが、それは、アリスが愛を体現しているからだろう。
嘘が好きな人には嘘を与え、真実が好きな人には真実を与える。愛にとっては、嘘も真実も等価である。一枚の写真が嘘であっても真実であっても芸術であっても構わない。強制したりされないことが大事なのだ。例えば、自分は嘘が好きなくせに人には真実を強要するとか、自分は真実を語っているのだから人も真実を語るべきだとか、芸術を芸術として評価せよなどと要求しないことが肝要だ。愛というのは、実を言うと、固有の、自発的な人格であり、自由を創造しながら生きている。
愛を邪魔するのは裏切りではなくて憎しみなのだが、憎しみは自由を創造できなくなる状態のことなのだ。
アリスが、匿名の存在であることは象徴的だ。
彼女自身が悲しいストレンジャーだと言いたいのだろう。


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